牛乳のパッケージには「乳脂肪分」と「無脂乳固形分」という成分の数値が記載されています。
「乳脂肪分」は文字から想像できると思いますが、もう一つの無脂乳固形分はあまり聞き慣れない言葉で「何だろう?」 と思われる方も多いと思います。
今回はこの無脂乳固形分について説明します。
牛乳の風味とは?
牛乳の風味について牛乳に含まれている物質を説明します。牛乳の風味は何か? というと色々な成分が複合して作り出され、大きくは香り、呈味(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味のほか感じることができる食べ物の味)、口当たりに分けられます。香りに関与する物質としては、アセトンを主体とするカルボニル化合物、硫化メチル、エタノールおよびそのエステル、短鎖脂肪酸などからなり、これらの組み合わせにより牛乳特有の香りを形成します。 また、呈味は乳糖の甘み、クエン酸やリン酸のかすかな酸味、塩化物の塩味、カルシウムやマグネシウムの苦味などが合わさって作り出されます。 乳成分の中で量的に多い乳脂肪分や乳タンパク質は口当たりに作用しています。牛乳はこの3つが組み合わさり、牛乳本来の風味が作り出されています。
分類 |
主な物質と成分 |
香り |
アセトン、ブタノン、硫化メチル、エタノール、短鎖脂肪酸 など |
呈味 |
乳糖、塩化物、クエン酸、リン酸、マグネシウム、カルシウム など |
口当たり |
乳脂肪、乳タンパク質、リン脂質 など |
[ 牛乳の風味と主な物質と成分 ]
では、牛乳に表示されている乳脂肪分、無脂乳固形分をわけるとどのような風味になるのでしょうか?
各成分の割合から見ていきましょう。