運命の石スコーンの異名
アフタヌーンティーで欠かせないフードとして親しまれているスコーン。子供の握り拳ほどの大きさで、小石を思わせる形をしています。焼き菓子ですが、この石をイメージさせるのは深い伝説的ないわれがあるのです。
9世紀の半ばケニス1世がスコットランドを統治して王になる際、戴冠式を挙げるため直方体の石の上に乗りました。それは運命の石と呼ばれ、聖地パレスチナにあって聖ヤコブが頭を乗せていたという伝説がある石だったのです。この戴冠式を挙げた場所がスクーン城(SCONE)で、現在のパース近郊でした。これよりスクーンの石と呼ばれるようになったのです。
スクーンの石は1296年にエドワード1世によってイングランドに奪い去られ、木製の椅子の下にはめ込まれ、ウエストミンスター寺院に置かれることになったのです。その後、代々イングランド王の戴冠式は、この椅子に座り行われてきました。
焼き菓子のスコーンは、この運命の石に由来して名がつき、石を連想させる形に焼き上げられることが多いようです。その神聖な形からナイフは使わず、縦に割らずに手で横半分に割って食べるのがマナーといわれています。