紅茶を授けた民族
インドの紅茶アッサムと言えば、きっと誰もがご存知でしょう。実はこの紅茶、今から190年前の1823年に、スコットランド人のR.ブルース少佐によって発見されたのです。
その場所はアッサム州の東端、ミャンマーの国境に近いシブサガルという地でした。ブルースは戦争でそこに行ったのですが、そこで出会ったのがシンポー族の族長、ビーサガムです。シンポー族は中国雲南省からビルマを超え、アッサムに移住してきた民族でした。雲南と言えばプアール茶でも有名なお茶処です。彼らの祖先は、お茶の生活文化をアッサムにも伝えていたのです。
R.ブルースは惜しくも2年後に亡くなったのですが、1825年から弟のC.Aブルースが14年の歳月をかけ、茶を栽培し、紅茶として完成させました。
2013年2月、私はアッサムを訪れ、ビーサガムの4代目に会うことができました。紅茶を授けた民族の子孫です。4代目は言いました。
「我々の茶がインドのチャイになってみんなが飲んでいるのが嬉しい」
ここから紅茶が世界に広がっていったのです。